スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

NHK教育が問う、イスラムとユダヤの共存

NHK教育の「テレビでアラビア語」。今まで見ていたわけでもないのですが、9月8日放送の第24課はサブタイトルに釣られて初めて見てしまいました。
「将来も彼らと共存できますか?」だなんて、これは「彼ら」が指すのは、ユダヤ教徒またはイスラエル、あるいはキリスト教徒またはアメリカだろう、と思ったのです。

予想は当たりました。冒頭の「今日のダルス」のコーナーでは、「アラブの中の異文化・モロッコ編」と題して、マラケシュにあるシナゴーグ、つまりユダヤ教の礼拝所を訪ねたのです。
しかもシナゴーグを訪ねたのは「アルジャジーラ子どもチャンネルリポーター ラニア・ジャンマール」とテロップされていました。映像自体が「アルジャジーラ子どもチャンネル」の撮影。アルジャジーラといえば、ビンラディンのビデオを配信するなど「イスラム原理主義武装組織(要するにテロリスト)アルカイダ」の代弁者であるかのように伝えられているメディアです。
まあ、アルジャジーラがテロリストというわけではないし、むしろ常に一方的で偏向した報道しかしない日本のメディアを考えると「アルジャジーラみたいのは必要だろ」とさえ思うのですが、それでもNHKがアルジャジーラの協力を得て番組を作っているというのは驚きでした。

でもそれ以上に驚いたのは、中身の良さでした。「テレビでアラビア語」の視聴率がどれくらいなのかわかりませんが、とてもいいと思ったので、以下に紹介します。

ラニアさんは、「モロッコの人口の9割以上はイスラム教徒ですが ここには 異なる宗教 特にユダヤ教との長い共存の歴史があります。きょうは ユダヤ教のシナゴーグにやってきました。イスラム教徒との共存の歴史について聞いてみたいと思います」と紹介したあと、シナゴーグ内へ。
中にいたのは、キッパを頭に載せた年配のユダヤ人。以下はラニアさんとの会話。
ラニアさん「私は モロッコでのユダヤ教の歴史に関心があります」
ユダヤ教徒「私たちは ずっと昔から イスラム教徒たちと暮らしてきました」
ラニアさん「では 将来も彼らと共存できますか?」
ユダヤ教徒「もちろん できます」

この「将来も彼らと共存できますか?」というところが「今回の重要表現 基本のイバーラ」でした。
文法的には「あなたたちは~できますか」「わたしは~できます」という構文なのですが、それを、イスラム圏のユダヤ人を引き合いに出して「共存」というテーマで例文にするという。しかもそれをあのアルジャジーラの協力によって作成しているという。NHKも大胆というかすごいというか。

番組の最後の「アラブの窓」のコーナーは、マラケシュのシナゴーグの礼拝の様子の映像から始まって、ユダヤ教ラビのジャッキー・カドシュさんにラニアさんがインタビュー。ラビというのは指導者のことで、お寺で言えば住職、キリスト教でいえば司祭や牧師のような存在です(宗教的指導者とも言われますが、生活が全部宗教に乗っかっているので、「宗教面においてだけの指導者」ではないのです)ラニアさんの「モロッコのユダヤ教徒の歴史について教えていただけますか?」という質問に、カドシュさんが答えます。
歴史的には 2つの節目があります。
最初は エルサレムの神殿が破壊されたおよそ2千年前です。これによってユダヤ教徒は離散の民となり その一部がモロッコに移り住みました。
もうひとつの節目はおよそ500年前 スペインとポルトガルからユダヤ教徒が追放されたときです。両国の国王は ユダヤ教徒に キリスト教への改宗を迫りました しかしユダヤ教徒は固く拒みました 当時のモロッコ国王は ユダヤ教徒に信仰の自由を与え 住宅の建設を許しました それで スペインとポルトガルからユダヤ教徒がモロッコに移住したのです
このあと、シナゴーグでの礼拝風景の映像にかぶせてナレーションが流れました
「現在 モロッコのユダヤ教徒は およそ3千人。そのうち250人がマラケシュで暮らしています。ユダヤ教ラビのカドシュさんは 代々マラケシュで続くラビの家系に生まれました」
ユダヤ教の礼拝風景が日本のテレビで流されるのも珍しいことでしょう。ナレーションのあと、ふたたびカドシュさんの言葉。
私はこの町に生まれ この町の小学校に通いました そこでは イスラム教徒と同じ教室で学んだものです
私たちは ここモロッコで 長い間 平和に暮らしてきました 宗教の違いを問わず 互いを尊重しながら 共存してきたのです
イスラム教徒と 私たちは 兄弟も同然なのです


イスラム教徒とユダヤ教徒が、モロッコでは共存してこれたということ。そこには、「キリスト教徒が絡んでいない」という理由があるのかも、と思いました。
エルサレムも、オスマン帝国が支配していた時代はイスラム教徒もユダヤ教徒もキリスト教徒も平和に暮らしていたのに、キリスト教国の十字軍がそれをぶち壊しにしたわけですし。
いやそれにしても、久しぶりにいい番組を見たなと思いました。
にほんブログ村 哲学・思想ブログ キリスト教へ
スポンサーサイト

この記事のトラックバックURL

http://areopagus.blog65.fc2.com/tb.php/79-858c0c4d

コメント

コメントする

管理者にだけ表示を許可する

Template Designed by DW99

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。